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虹色の星座 吉田章子さん tsuna39 2026s

虹色の星座 小さな光を繋ぐ未来へ

カカオフレンズを訪ねる 連載 第23回

吉田章子さん

取材・文・写真 高橋百合香

広大な宇宙に散らばる小さい点のような星でも、線で繋いで結んでいくことで夜空に大きな星座が見えてきます。沖縄カカオプロジェクトは、インド、ネパール、沖縄、東北の生産者さんたちだけではなく、全国各地のカカオフレンズの皆さんお一人おひとりの思いや願いが結ばれて、未来の姿が描かれてゆきます。フレンズの皆さんは、どんな思いで、リサチョコレートを手にしてくださっているのでしょうか。カカオフレンズのお話を伺う連載、第23回をお届けします。

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暖かな冬の午後、神奈川・湘南の海に程近い吉田章子さんのご自宅にお邪魔しました。お父様が本好きで家には幅広いジャンルの本がたくさんあり、ご自身も本が大好きという吉田さん。本を通して少しでも社会に恩返しができたらという思いを温めてこられました。2026年3月から自宅の一部を「(仮)本のあるところtsujido」として開かれた場にしようと準備を進められていた2025年末、お話をお聞きしました。

週2日程、この空間で自由に本が読めるそうです。猫ちゃんにも会えるかも?ぜひ訪ねてみてくださいね。

本を通して巡るご縁
「土屋さん、これなんですよ!」と本棚から手に取られたのは、働き方研究家・西村佳哲さんの『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』。2010年に奈良で開催されたフォーラム「自分の仕事を考える3日間」がまとめられた本です。8名のゲストの一人としてネパリ・バザーロの土屋春代も登壇しました。「この本で土屋さんのことを知って、こんなすごいこと、フェアトレードをやっていらっしゃる方がいるんだと初めて知りました!」と当時の興奮を思い出すように話される吉田さん。その後、青山ブックセンターで開催された西村さん司会のイベントで土屋が話をすると知り、参加されたそうです。本が引き寄せてくれた出会いだったのですね!

同じく奈良のフォーラムのゲストとして登壇された三島邦弘さんのミシマ社も長年応援されています。「ちいさな総合出版社」を掲げ、出版業界にワクワクするような挑戦をされているミシマ社。ある時ミシマ社発行の雑誌で、読書喫茶「草径庵」オーナーがおすすめの本を紹介されていました。その本が大好きだった吉田さんは共感し、手紙を書かれたそうです。そこから文通が始まり、数年越しで訪問、出会いが叶いました。さらにそこで出会った本好き仲間とあちこちのブックカフェを訪ねたり、イベントに参加したり。「古本以外の本はどこで買っても同じ値段。だからこそ、どこで誰から買うかが大切ですよね!〝お買物は未来をつくる〟その通りですよね!」と熱を込めて語られます。

念願だった猫を迎えて2年半。猫との暮らしをずっと思い描いていた吉田さんは、御蔵島で、人が持ち込み野生化した猫が、渡り鳥オオミズナギドリを襲い絶滅の危機が迫っている事を知りショックを受けました。オオミズナギドリを守ろうと、有志の方々が野生化した猫を捕獲して里親を探す活動をしていることに感銘を受け、鳥好きでもあった吉田さんはここから猫を譲り受けようと即決。仲良し2匹とご縁があり、猫との生活が始まりました。栗色のマロンと茶トラのクレープ。「猫から学ぶことは多いですよ」と吉田さんの表情が緩みます。

2019年、近くに「エコストア・パパラギ」というお店が誕生します。「もしかして…?」と高まる胸を抑えつつ訪ねてみると、起ち上げたのは、吉田さんが20代の頃のダイビングの先生・武本匡弘さんでした。40年以上海と向き合い、人類が地球規模で迎えている「気候危機」と「平和の危機」を肌で感じ、共に行動する仲間を増やそうと生きて来られた武本さんとの再会は、吉田さんに新たな気付きをもたらします。「自分は平和は当たり前と思って暮らしてきました。平和運動をしたこともありませんでした」と言う吉田さんは、パパラギを拠点に起ち上がった「湘南 平和憲法の碑を建立する会」に事務局として参加し、様々な学びを得たそうです。2025年に完成した碑は、猫と赤ちゃん。触れて、なでて、感じて欲しいと言われます。台座には憲法9条の条文が日本語、中国語、ハングルで刻まれています。

また気候危機の問題を自分事として考える人を増やそうと仲間と共に取り組まれています。「多少不便で高くなってもプラスチック以外の製品をできるだけ選ぶようにしています。違う選択肢があることを伝えていきたいです」。現状は危機的ですが、次世代のためにという前向きなエネルギーが吉田さんから伝わってきます。

なぜ沖縄カカオフレンズになって下さったのでしょうか。「沖縄に関しては心が痛むことがあります。沖縄にはダイビング時代に何度も行きました。久米島にも。でも何もしてきませんでした。そんな時に、希望が感じられて楽しみな試みに私も参加できるということが嬉しかったのです。福島の子どもたちのこともずっと気になっていて。それと、チョコレートが美味しいんですよね!」

きっと新たな場所にも人が集い、ご縁が巡っていくことでしょう!


インタビュー終了後、土屋春代と。ありがとうございました!