虹色の星座 下村知子さん tsuna38 2025
虹色の星座 小さな光を繋ぐ未来へ
カカオフレンズを訪ねる 連載 第21回
下村知子さん
取材・文・写真 高橋百合香
広大な宇宙に散らばる小さい点のような星でも、線で繋いで結んでいくことで夜空に大きな星座が見えてきます。沖縄カカオプロジェクトは、インド、ネパール、沖縄、東北の生産者さんたちだけではなく、全国各地のカカオフレンズの皆さんお一人おひとりの思いや願いが結ばれて、未来の姿が描かれてゆきます。フレンズの皆さんは、どんな思いで、リサチョコレートを手にしてくださっているのでしょうか。カカオフレンズのお話を伺う連載、第21回をお届けします。
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名古屋にあるフェアトレードショップの草分け的存在の「風〝s(ふ~ず)」さん。スタッフだった下村知子さんのご対応はいつも丁寧で、気持ちがこもっていました。2019年「沖縄カカオプロジェクト」がスタートしたばかりで形も何もない時に風〝sさんが企画して下さっ
たネパリ・バザーロ土屋春代のお話会にもご参加下さり、すぐに沖縄カカオフレンズになって下さいました。どれほど勇気づけられたことでしょう。

「ローションだけで潤います!」敏感肌の下村さんはクーネをご愛用。レース織ブラウスと竹布パンツもさらりと。
自分を大事に 廻り始めたご縁の輪
20代の頃、会社勤めだった下村さん。個人の意思が尊重されず周囲に合わせなければならない空気に息苦しさを感じていました。ある時、風〝sのオーナー土井ゆき子さんが運営する「GAIAの会」主催の「地球交響曲ガイアシンフォニー」上映会に参加しました。映画を観て色々な生き方があることを知り心動かされました。終了後、風〝sに立ち寄り「可愛いな」と思って手に取ったアクセサリーが、フェアトレードとの出会いだったそうです。
風〝sの活動に心惹かれつつもタイミングが合わず時が経つ中で、2010年に愛知県国際交流協会とGAIAの会主催のフェアトレード連続講座で土井さんがファシリテーターを務めることを知り参加しました。半年間の講座が終わる頃、無理を承知で風〝sで働きたいとお願いしたところ週一日で良ければと快諾。とても嬉しくて他の仕事もしながら風〝sで働くようになりました。初めての仕事は商品の検品。「フェアトレード商品に携わってお給料を頂けるなんて、何て幸せな仕事なんだろうと胸がいっぱいになりました」と目を潤ませながら当時の気持ちを話して下さる下村さん。会社員時代は出会いや学びもあり辛い事ばかりではなかったものの、会社に色々なものを吸い取られ、社会に従属しなければならないと感じる事もあり苦しい気持ちを抱えられていたそうです。「風〝sで働く中で、自分を大事にする事を学びました。〝自分の思いにそって生きていいんだよ〟って。太陽のように輝く土井さん、尊重し合って共に働き活動する仲間、心が通った仕事をされているフェアトレード団体の方々…かけがえのない出会いに恵まれ、風〝sで働く日々は幸せでした」。
土井さんに背中を押され、2013年からは「風の樹」としてフェアトレード商品の出店販売にも挑戦することに。地元の知多市市民活動センター内の手作りカフェAda|coda(アーダコーダ)とご縁があり、定期的な出店販売がスタート。日替わりシェフも引き受ける事となり「自分には無理!」と思っていた料理にもチャレンジ。スパイスカレーの作り方を学び、以来ネパリ・バザーロのスパイスと旬の野菜を活かしたカレーランチを提供しています。さらに地元のマルシェに出店したり、つながりのあるお店に商品を置いて頂いたり。美味しい洋菓子も作る自然栽培の農家さん、平飼い卵の養鶏農家さん、美しい手仕事の陶芸作家さん…出店者の方々やイベント主催者、日替わりシェフ仲間、そして素敵なお客様等お一人おひとりとの出会いを嬉しそうに話して下さる下村さんの言葉から、深い感謝の気持ちが伝わってきます。
この夏には3回目となる「子ども寺子屋」を仲間と開催したそうです。場所は知多半島の先端にある「尾張高野山 岩屋寺」。地域に開いた多種多様な催しを住職が実施され、フェアトレードの商品を置いてくださる事も。下村さんが懇意にしている古民家蕎麦屋「ともゑ庵」のオーナーは、元教師とお料理上手のご夫婦。お寺を舞台に皆の得意を活かすには…?と考え「寺子屋」を企画。夏休み中の子どもを対象に坐禅のちょっぴり修行もありつつ、宿題タイムに流しそうめんにスイカ割り。下村さんはミャンマーの子どもたちに本を送るボランティアを担当。関わる大人も一人ひとり尊重された場だからこそ、子どもも伸び伸び楽しめたことでしょう。
「沖縄カカオプロジェクト」を応援して下さる理由をお聞きすると「ネパリさんがされているから。私の活動は風〝sさんのご厚意があって成り立っています。利益はできるだけ社会に還元したいと思っています」とさらりと一言。人にも物事にも誠実に向き合う下村さんの生き方に、私たちも励まされます。これからも共に、社会にあたたかな希望の風を吹かせていきましょう!

インタビュー終了後、土屋春代と。ありがとうございました!
