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沖縄カカオプロジェクトとは?

沖縄カカオプロジェクトとは?

チョコレートの原料のカカオは「テオブロマ(神様の食べ物)と言われ、人々の生活に取り入れられた歴史は古く、飲料として、お菓子として、世界中で愛されてきました。

私たちネパリ・バザーロは、1992年からネパールや東北で、仕事を必要とする人々と農産物を加工し仕事づくりをしてきた経験を活かし、沖縄でカカオを栽培しチョコレートなどカカオ製品を作る夢を描き、2017年に沖縄カカオプロジェクトを立ち上げました。

沖縄カカオプロジェクトが目指していること

❶ 沖縄の新たな産業づくり
❷ 障がい者や一般就労の困難な方の仕事づくり

沖縄でのカカオ栽培や各地でのカカオ製品作りを通し、沖縄に新たな産業を創り、多くの人に仕事の機会を生み出すことを目的として2017年にスタートしました。沖縄島北部のやんばると久米島でカカオ栽培に挑戦しています!カカオ栽培からチョコレート作りまでの一貫事業を目指しています。

沖縄産カカオが収穫できるまでにはまだまだ年数がかかります。まずは南インドの村からカカオ豆を輸入し、2019年に岩手県陸前高田市にある「椿のみち」でLISAチョコレートの製造をスタートしました!「椿のみち」は 3.11の大津波で壊滅的被害を受けた陸前高田で復興支援として伝統的な椿油をつくるため、私たちネパリ・バザーロが開設した製油所です。全国のたくさんの方たちがご支援下さって実現しました。

❸ 福島原発事故による放射能汚染地域に住む子どもたちの保養と命を守る活動を支援

東日本大震災の被災地の中で、これからも益々問題が深刻化すると危惧される福島の子どもたち。その子どもたちの放射能による健康被害を少しでも減らすため、沖縄・久米島で「福島の子ども保養プロジェクト 沖縄・球美の里」が民間で運営されています。その支援も合わせて取り組んでいます。


2023年5月、沖縄・球美の里の保養プロジェクトに参加された福島のご家族を、カカオのハウスにご案内しました。初めて見るカカオの実に、皆大興奮!沖縄と福島、そして私たちをつなぐカカオに希望を感じました。

沖縄カカオプロジェクト4つのポイント

point ❶ Bean to Bar
まずは南インドの村で有機栽培されたカカオ豆を輸入してローストし、LISAチョコレートをつくります。チョコレートの原料、製法にも徹底的にこだわっています。
カルナータカ洲シモガ県の村で、小さな農家が集まり、自然にそった農法で多様な作物と共にカカオを栽培しています。収穫、発酵、乾燥の工程を経て、日本に届きます。

point ❷ Tree to Bar
目指しているのは、カカオの木を育てるところからチョコレートづくりまでの一貫事業です。
沖縄島北部と久米島でカカオの苗を育てています。久米島のカカオもしっかり根付き、大人の背丈を超える大きさになりました。たくさんの花が咲き、2023年にはついにカカオポッドが実りました!

point ❸ LISAチョコレートづくりの仲間
プロジェクトの主旨に賛同し、共にLISAチョコレートを製造販売する仲間の輪を広げていきます。
少ない資金と狭い場所でも始められるように小型でリーズナブルな機材を探し、それでも本格チョコレートが作れる方法を考えました。リサチョコレートの製造販売を応援し、それぞれの活動が学び合い、支え合うことを目指しています。


リサチョコレート製造販売の仲間に入ってくださったCPAOさんは、居場所を見つけられず自暴自棄になっている若者や選択肢が少なく厳しい生活を余儀なくされているシングルマザーの方たちの支援をしています。リサチョコレート製造販売が社会的に弱い立場の人たちの受皿となれるよう軌道に乗せたいと思います。
※ 認定NPO法人CPAOさんのHPはこちらです!また、私たちの2023年冬カタログ (vol.30) でもご紹介させて頂いています。ぜひご覧ください。

point ❹ カカオフレンズさんの輪
誰もが大切にされ、夢や希望を抱き、安心して暮らせる温かい社会の実現が近づきます。
カカオ栽培と、リサチョコレートの製造販売に関わる人たちを応援してくださるカカオフレンズさんの存在は、作り手にとって大きな励みになります。カカオフレンズさんになって頂けたら有難く、こんなに嬉しいことはありません!夢の実現に向けて、共に歩んでいきましょう!


カタログでカカオフレンズさんをご紹介しています。HPでもご覧頂けます。「虹色の星座」最新のUP記事はこちらです!
※カカオフレンズのお申込みはこちらから!

沖縄カカオプロジェクトは2017年5月にたちあげました。その時の想いをここに記します。

沖縄へ

~出会いとこれからの取り組み~

ネパールから長年輸入していたチリの通関手続きが毎回困難を極め苦心していましたが、ここ数年はコストと手間と時間があまりにもかかるようになりついに限界と感じ、止む無く国産チリに切り替えることになりました。

国内でチリを調達するなら生産者を沖縄で探したいと思いました。それは、ネパリ・バザーロ起業へとつながる原点となった多感な中学生の頃の経験に遡ります。ネパールの子どもたちの過酷な状況をネパールで長年医療ボランティアをされていた医師の講演で知り、何かをしたいと強く思ったものの、ネパールは子どもにとってあまりにも遠く、近隣でのボランティア活動を開始しました。社会のことに少しずつ目を向ける中で返還前の沖縄を知りました。待ち望んだ返還、しかしその後も続く様々な苦難に心を痛めながらも何もできないことを申し訳なく思っていました。ネパールや東北被災地と仕事で関わり製品開発をしてきたように、いつか沖縄とも仕事でつながれたらと思っていました。そして、沖縄本島北部で地域の障がい者の就労支援を目指す農産物栽培加工会社を経営する女性起業家と出会い、理念を同じくするその会社からチリを購入しようと、2017年2月現地を訪問しました。

栽培している畑と加工場を見学し、いろいろ話す中で伊江島特産の落花生とネパールのハチミツを合わせた新製品づくりへとどんどん話が進み、更に長期的な取り組みとしてカカオを栽培し国産チョコレートをつくる“新たな産業”を興そうと一致し「カカオプロジェクト」を立ち上げました。手始めに2017年8月にカカオの種を蒔きました。

東北支援を通じ、災害や過疎、貧困など国内の様々な問題改善にもその土地の産物を生かした製品開発が有効で、国内版フェアトレードの必要性、重要性を痛感していたので沖縄と関わるならチリだけでなく、新しい産業となり得るものを考えられたらと思いました。

台風が多く冬場の低温が心配な沖縄ではハウス栽培となるので、ある程度まとまった資金が必要になります。その事業資金を野田村の山葡萄ワイナリーの時のように会員制度をつくって集め、皆で実がなりチョコレートができるのを楽しみに待ちたいと思います。将来に夢があること、共に夢を追う仲間がいることは素晴らしいことだと思うのです。これまで築いてきた、各地の宝と課題を共有し、支え合い共に生きるネットワークをより強固にしたい。そして、それは更なるパワーを生み出し、いつかネパールにも波及し、より一層貢献できるものと思います。

2017年5月 ネパリ・バザーロ会長 土屋春代