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クーネ化粧品こだわりの原料5 verda 2013w

のだ塩【海塩 from 岩手県九戸郡野田村】

海塩との出会い

クーネに使用する塩を探し、岩手県北部沿岸の野田村に昔ながらの直煮という製法によって炊きあげられる、海塩があると知りました。歴史を調べ、ネパールのヒマラヤ地域の岩塩と重なるストーリーに衝撃を受けました。どちらも、農作物が育ちにくい厳しい自然条件の中、米など穀物のとれる遠隔地まで塩を運んで交換する生活。背に乗せて塩を運ぶ動物はネパールではヤク。野田村は牛(ベコ)。塩を運んだ道を「野田塩 ベコの道」と言うそうです。

17世紀、南部藩の頃から行われていた塩づくりは明治 38年に専売制が敷かれるまで続いた、野田の村人の生活を支える貴重な産業でした。切りたった岸壁と山に迫られ耕地面積の少ない村に、海水だけは豊富にある資源でした。

塩は、食糧の乏しくなる長く厳しい冬に備えての保存食作りにも不可欠であり、盛岡など内陸の米と換えることもできました。そして、海のない内陸の人々は塩行商人が訪れるのを待ちわびました。米一升、塩一升で交換された時期もあるそうです。

専売制以降しばらく途絶えていた塩製造を平成になって村の若者たち有志が復活しました。しかし、野田港の近くにあった製塩所は2011年3月の震災で流されてしまいました。2012年2月、高台に移して再開し、村の特産品として、今後もずっと南部藩時代の製法を忠実に守って製造を続けるそうです。

工房には4つの釜があり、汲み上げた海水を煮詰める作業をしていました。4日間煮詰めてやっと 20~ 30キロの塩ができます。年間6トンぐらいしか作れない貴重な塩です。柔らかい旨味の詰まったおいしい塩は、注文しても直ぐに手に入らないほどの人気です。

薪集めも大変重要です。4日間出来上がった塩をすくい取ります。脱水し、にがりを落とし、1日乾燥させて、 手作業で不純物を取り除き袋詰めします。薪でじっくり長時間煮 詰めた塩は柔らかくてあまい、舌にも喉にも優しい味です。

塩づくり職人の小野さん(後列左から2人目)、泉沢さん(同じく3人目)。 釜にこびりつく塩と見間違うような白い石灰分を取り除いたり、始終釜を覗き 撹拌しなければなりません。夏の暑さの中での塩づくりは大変です!

国民宿舎えぼし荘の敷地内に再建され た「のだ塩工房」

★豊富に含まれるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルは、肌に潤いを与えながらすっきりと引き締めます。

(verda 2014秋 vol.44より