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山葡萄ジュースに仲間が増えました! tsuna31 2024s

「秋霜農園の山葡萄ジュース」です。どうぞよろしくお願いします!

野田村の山葡萄ジュースシリーズに、新しい仲間が加わりました!秋霜農園の山葡萄ジュースです。まろやかな甘味でバランスの良い味わい。雑味がなくて、飲みやすいので、初めての方にもおすすめです。ストレートで、サイダー等で割って、氷を入れてのオンザロックでも、お好みのスタイルでお召し上がり下さい。

山ぶどうは日本原産で、縄文時代前期から山野に自生していました。鉄分を多く含み、滋養強壮、貧血改善、疲労回復にきくので、昔から産前産後の女性へのお見舞いに持参したそうです。ポリフェノールは、一般的なぶどうの数倍も含まれます。日々の生活に、ぜひ取り入れてみてください。ご注文はこちらから。

左から、山口さんの山葡萄ジュース佐藤さんの山葡萄ジュース秋霜さんの山葡萄ジュース。飲み比べも面白いですよ!

野田村の山葡萄ジュース生産者 秋霜のどかさん
~故郷に帰った孫娘と祖父のぶどう畑~
文・土屋春代

のどかさんと出会ったのはずいぶん以前のことです。3.11支援で岩手県陸前高田市に開設した工房で搾油している椿油をベースに、他の被災地のさまざまな特産品エキスを加えたコスメをつくろうとしていた私は2013年秋、塩を求めて野田村に行きました。塩の話は直ぐに了承されましたが、山ぶどうの販路開拓支援をしてほしいと頼まれ、山ぶどうワインを造る提案をし、ワイナリー起ち上げを支援することになりました。山ぶどう農家さんに集まっていただき話し合いをした時に若い女性が隅に静かに座っていました。若い女性農家は珍しく、いろいろ話をしたかったのですが、積極的に外部の人間に近づこうとしない様子でした。その女性、秋霜のどかさんはずっと東京に出ていて戻ってこられたばかりと後で知りました。何度目かの会合が終わって帰ろうとすると、茶器を片付けていたのどかさんが振り向き、「ありがとうございました。お疲れ様」と、笑顔で声をかけてくださった時はすごく嬉しくなったのを覚えています。

のどかさんが東京で8年間働き、都会生活に疲れ、仕事を辞めて野田村に帰ったのは2011年8月。その秋に祖父の秋霜清治さんが77歳で亡くなりました。可愛がってくれた清治さんが丹精込めた山ぶどう畑が残されました。ずっと実家に留まるつもりで帰ったわけではなかったものの、世話をする人がいなくなった畑の手入れをしているうちに、山ぶどうの畑仕事の魅力にはまりました。

清治さんは戦後間もない1950年に根井地域に入植し必死に開拓しました。養蚕や養豚を手がけましたが思わしくなく、役場に勧められて1999年に山ぶどう栽培に切り替えました。根井地域最初の山ぶどう生産者でした。山奥まで分け入って苗木をとってきたり、実が少しでも多くとれるように改良を重ねたり、真夏の炎天下も休まず、黙々と手入れをして倒れてしまったこともあるほど、心血を注ぎ栽培しましたが、山ぶどうの販売価格は下るばかり。どれほど努力しても赤字が続くようになっていました。2016年にワイナリーができて山ぶどうが高い価格で買取られるようになると収穫量の多い秋霜農園は持続が可能になりました。生きているうちにそれを知ることができなかった清治さんですが、清治さんの努力の結晶は孫娘ののどかさんにしっかり受け継がれ、生産者としてワイナリーを支えています。

畑を一緒に歩きながら、深刻な熊被害を聞きました。熊3頭を罠で捕獲し、その中の1頭は体長170cm、体重150~160キロと大きかったこと、しかも、まだ姿を見かけること、熊に山ぶどうをどれほど食べられてしまったか等など、さらりと話すのどかさん。そんな危険な状況で収穫した山ぶどうがジュースになって届くのかと驚きながら、私がごちゃごちゃ話していると少し斜め後ろを歩くのどかさんがクスッと笑うのが見えました。あっ、笑ってる、何が可笑しかったのか、のどかさんの素敵な笑顔を見ることができました。

1年間手入れをした成果のでる秋の収穫時期が1番楽しみだというのどかさん。たくさん実って収穫できると来年もまた頑張ろうと思えモチベーションが上がるそうです。みんなで葡萄の話や色んな話をしながら収穫作業する時間も好きで、来年もまたみんなで収穫ができるといいなと思いながら収穫するそうです。

収穫した後の選別作業はとても根気のいる大変な仕事です。でも、ここをおろそかにすると質が落ちるので頑張りどころ。美味しいジュースやワインに仕上げたいと、みなで頑張ります。

カタログを見せて、ここに載るんだからと、直前まで盛り上がっていたのに・・・と、いつもの笑顔を見せられず残念そうなのどかさん。カメラを向けられると皆さん下を向いたり、表情が硬くなってしまいました。