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虹色の星座 江森享子さん tsuna41 2026a

虹色の星座 小さな光を繋ぐ未来へ

カカオフレンズを訪ねる 連載 第25回

江森享子さん

取材・文・写真 高橋百合香

広大な宇宙に散らばる小さい点のような星でも、線で繋いで結んでいくことで夜空に大きな星座が見えてきます。沖縄カカオプロジェクトは、インド、ネパール、沖縄、東北の生産者さんたちだけではなく、全国各地のカカオフレンズの皆さんお一人おひとりの思いや願いが結ばれて、未来の姿が描かれてゆきます。フレンズの皆さんは、どんな思いで、リサチョコレートを手にしてくださっているのでしょうか。カカオフレンズのお話を伺う連載、第25回をお届けします。

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2月の快晴の日、岡山空港から広い空と豊かな緑を眺めながら車を走らせ真庭市のご自宅に到着すると、白い扉と「IDEA COFFEE」の看板が目に入りました。2024年にご自宅の一部を改装しカフェをオープンされたそうです。旺盛な好奇心と行動力、多趣味で多才な江森享子さんが、ご自身のリフレッシュも兼ねてほっと一息つける場所をと願って作られた素敵な空間でお話をお聞きしました。


実際に自分の目で見たいと思い、軍隊を持たない非武装中立の平和国家コスタリカを4月に訪問されました。

原点は〝偶然への責任〟
江森さんは、長年中学校で音楽と英語を教えてこられました。4歳の時にお母様から音楽の手ほどきを受け、大学は教育学部音楽教室に進学しました。ピアノ、バイオリン、声楽、作曲法…様々なことを学び音楽に向き合う充実した日々でしたが、英語教育にも魅力を感じ、両方の免許を取得されました。教員時代の思い出を伺うと、多感な時期の生徒さんたちの気持ちにうまくこたえられた時はスイッチが入ったように変化し、その後の成長には目を見張るものがあったとキラキラした瞳で話して下さいました。

さらに組合活動、平和教育など多岐にわたる仕事にのめりこみ多忙な日々の中、時間とお金を捻出し旅に出られます。初めての一人旅は、黒部・立山アルペンルート。その後もオーストリア、ネパール、トルコ、韓国、ウズベキスタンなど。しかしいつかは行ってみたいと思っていたアフガニスタンのバーミヤンにある石仏は、もう見ることはできません。退職の際には、生徒さんにこのようなメッセージを送りました。「なぜ人は争うのか、どうしたら争いを避けることができるのか、それは、これからもずっと問い続け、勉強していかなくてはならない課題です」。

江森さんのお父様は1931年生まれ。日本が戦争に突き進んでいく時代に生まれ育ち、14歳の時に敗戦。昨日まで「お国のために死ぬんだ」「天皇は神様だ」と言っていた先生が同じ口で正反対の事を言うのを聞いて人間不信になったそうです。戦争はお父様の純粋な子ども時代を奪っただけでなく、その後の人生にもずっと暗い影を落とし続けました。

お母様は東京で生まれましたが、戦争で全てを失いました。小学校低学年の時に遠い親戚を頼って岡山に疎開し、毎日芋のつるばかり食べていたそうです。卒業文集には同級生が空襲で亡くなったことが書かれていました。江森さんは「そんなの嫌だ!」と幼心に平和を願ったそうですが、空襲の危険を感じることもなく、身近な人が戦死する辛さも経験することのない時代と場所に生まれてきたことに感謝しつつも、心のどこかで負い目とでもいうような妙な居心地の悪さを感じて生きてこられたそうです。「ある時、『学校って何だろう―教育の社会学入門―(苅谷剛彦著)』に、〝自分でつかんだわけではない幸運に、どれだけ責任をもつのか〟 〝この選べない〈偶然〉にどれだけの責任を感じるか〟というくだりを発見。私がずっと感じてきた居心地の悪さの奇妙な感覚が、偶然への責任という言葉で表されていました。私の原点は、偶然への責任です」と江森さんは語られます。

湧き上がるエネルギーに豊かな好奇心が加わり、様々な活動を楽しみながら着実に積み重ねられてきた江森さん。多様な文化と人との交流を楽しむ「民族音楽と料理の会」を2007年から年に数回主宰されています。また「消費者レポート(日本消費者連盟発行)」を読みながら、食、健康、農業、環境、政治等について共に学び語り合う「消費者カフェ」も毎月開催。2018年から「まにわ日本語サークル」の事務局をされつつ、日本在住外国人にボランティアで日本語を教えているそうです。

「カレーと紅茶を買ったのがネパリさんとの最初の出会いでした。カタログを見て理念の高さに感銘を受けて度々利用するようになりました。チョコレートは元々大好きなのですが、児童労働の問題もあるし食べるだけでは…と気にかかっていました。沖縄カカオプロジェクトのことを知り、沖縄でカカオを栽培して国産チョコレートを作る、それって面白い!食べるの好きだから応援しないと!と思って沖縄カカオフレンズになりました!」美味しく楽しく、輪を広げられている江森さんに会いに、ぜひ「IDEA COFFEE」さんをお訪ねください!


「IDEA COFFEE」の店内で。美味しいコーヒーを淹れて頂きました!ネパリ土屋春代、魚谷早苗、高橋百合香と。ありがとうございました。