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暮らすように働く 2022年12月

スタッフ一言

11月10日に福島県双葉郡と飯舘村に行ってきました。事故後、飯舘村や浪江町には何度か行きましたが、東京電力福島第一原子力発電所がある双葉町と大熊町は初めてです。まだ事故の収束の見通しも立たず空間線量が高い地域で、帰還困難区域と一部の来春解除を目指す特定復興再生拠点区域がまだら模様のようになっています。それは、通行禁止と遮断されている道路まで行かないと分からず、道路は封鎖できても、空気には壁を作れないので、つながっているのになぁと横目に見ながら通りました。津波で亡くなった大熊町の当時小学一年生の木村汐凪(ゆうな)さんをずっと探し続ける父親の紀夫さん。津波の後、避難命令が出て、その後も長期間帰還困難区域になり、捜索はなかなか進まず、これまでほんの一部のお骨やランドセルが発見されただけでした。沖縄戦遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さんの遺骨収集に昨年4月に同行、具志堅さんとの交流が始まりました。そして、汐凪さんを一緒に探そうと今年の1月1日、具志堅さんは大熊に。そして2日、ほとんど欠けることなく残った大腿骨を発見しました。体で一番大きな骨だそうです。今、この国は原発の稼働年数を延長しようとしています。一番安易で最も危険な選択です。壊れるまで稼働するんだなと思いました。福島第一原発だけでは足りず、何基も事故を起こさせるつもりなのだと思うと、その無責任さに怒りを禁じ得ません。阻止できるのは今を生きている私たちです。(春代)

年も、とうとう1ヶ月を切りました。コロナが流行する前は、例年、年末から年始にネパールを訪問、生産者の皆さんへのご挨拶や、養護施設や奨学生のホームビジット、学校や仕事場訪問をしていました。久々に、年末にかけて行って参ります。遠方まで足を延ばしたいところですが、時間的制約もあり、少しゆっくりとしたペースで行動をしたいと思います。初日は、クリスマスの日。早朝に、ソマンアカデミーという私立学校の宿舎でお世話になっている養護施設の子どもたちに会いに行きます。その後、生産者の方々を訪問しながら、翌日から東ネパールに飛行機で移動。多くの奨学生が学んでいる地域へ伺います。この時期、霧が発生して飛行機が遅れたり、キャンセルになったりのハプニングが多々起こります。今年は、スムーズに進みますように!詳細は、年間報告書でお伝えできればと思います。いつも支えて頂き有り難うございます。良いお年をお迎え下さい。(完二)

誌で紹介されていた「東京原発」という2004年の映画をビデオで観ました(ネット配信で便利になりましたね)。都知事が、都庁の隣の公園に原発を誘致しよう、交付金が得られるし、長い送電線がいらないし、熱を利用できるしと言い出す…実際は危険な原発建設を本気で進めるなら享受している東京に建てるべきだという問題提起なのですが、地震への脆弱さ、放射性廃棄物の処理問題、原発に集中するエネルギー研究開発予算等説明し、国への皮肉もいろいろ。有名俳優陣出演なのに、当時上映館を探すのが大変だったそうです。あれこれ起きた最後に、副知事「こんな事件が起こったんだから原発反対運動は黙っていても起こりますよ」知事「甘いな。こんなことで無関心な東京都民が動くと思うか。人間は過去のことはすぐ忘れる。終わったことには関心がない」…う~、その通りです!福島の事故から10年しか経っていないのに、原発再稼働、期間延長、新規建設が進められようとしているのですから。(早苗)

々に出展したグリーンマーケット。一人の高校3年生との出会いが印象的でした。「活動している人にこんなことを聞いていいのか分からないのですが」と前置きをされて“フェアトレード ”に対する疑問をぶつけてくださいました。日頃から問題意識、批判精神をもって学ばれていることが伝わってきました。私たちも“フェアトレード”という言葉のみがもてはやされ利用される背景には多いに疑問を感じているので、そこから色々な話になり、「一人ひとりが大事にされて、対等であることは当たり前のことなのに、それを目指すことが特別なことであるのはおかしい。こんな社会にしてしまって本当に申し訳ない。あなたが社会に出るまでに、もう少し良い社会にします。ごめんなさい」と言うと「何でこうなってしまうんだろうと思っています。お願いします」と頭を下げられました。ぶつけようのない怒りを感じました。若者に直接、お願いしますと言われたのは初めてで、今まで自分が言ってきたことがあまりにも軽く感じられてショックでした。誰もが将来に希望を感じられて、活躍できる社会の下地を、私たち一人ひとりの足元から作っていきましょう。2023年こそは、その始まりの年にしましょう。(百合香)

「来年こそはもっと明るい年にできるように…!」と年末には毎年考えているのですが、2022年は2021年と比較してどうだったかな?と振り返っています。防衛費の爆上げ、原発の再稼働・運転期間の延長、反省せず同じ言葉を繰り返す政治家たち…。少し振り返るだけでも明るい1年だったとは言い難いですが、でも、大きな社会よりも自分自身に焦点を当ててみると、「あれ?敵基地攻撃能力を保有することが、本当に(戦争をせず)日本を守ることにつながるのかな?」などと、以前と比べて一度立ち止まって考えられるようになったことは一つ成長したことだと感じています。大きな権力を持った動きは目まぐるしく、時には私たちの知らないうちに水面下で進んでしまいますが、「私たち国民はいつも見ているぞ!」という姿勢を忘れずにいたいです。(萌)