暮らすように働く 2022年3月
スタッフの一言
沖縄カカオプロジェクトで沖縄に通うようになり、たくさんのハルサー(農家)に出会いました。有機農業を目指す若いハルサーたちが増えていることに希望を感じます。軽やかに、楽しげに、臆せず挑戦している様子にわくわくします。やりたいことがあればクラウドファンディングで資金を集めてスタートし、SNSで情報や仲間を求める。現代ならではの手段を駆使しますが、農法は意外と伝統的。土台である土を大事にし、命を育む農業だから薬を使わず身近な環境にあるもので循環型農業を目指します。すると昔の人の知恵が理に適っているようです。まるで友達のように作物に声を掛け、成長を喜ぶ若いハルサーたちの活動をいつか詳しくご紹介したいと思います。(春代)
2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻、様々な理由があるにせよ、一般市民を巻き込んで、多くの生活を破壊し、犠牲者を出し続けているその姿勢は、許されるものではないと、怒りを覚えながら、毎日ハラハラとしています。オミクロンの感染がなかなか止まらず、国境を超えた移動がなかなか難しい日々が続いています。フェアトレード活動を続けるなかで、電子帳簿保存法の改正(特に、電子取引による手続)や、インボイス制度の導入が予定され、税に絡む手続きも、一方的にどんどん複雑化しています。ネパールでは、看護学校に行っているアシャさん、シムランさんを初めカレッジ生は、学年末の統一試験が間もなく行われます。このような情勢のなか、今月は、非営利活動部門の総会が行われます。活動成果が感じられることでしょう。厳しい生活を余儀なくされている人々への支援、これからも、皆さまと共に挑戦していけること、嬉しく思います。(完二)
少し前にお客様から「ネパリの買い物は消費ではなく繋がり」だというお声をいただき、なるほど!と納得しました。考えてみれば、生産者の方々から届く「産み、生んで」くれたものを「費やし消す」消費って何?「大量消費」という使い方にはぴったりですが、ネパリの商品は、擦り切れても繕って長く着たい衣服やニット、食べてしまっても体中にしみわたって血や肉となる食べ物…と消え去らないものばかり。本当にネパリのお客様は「消費者」ではなく「つながる」方々だと思います…という話を、先日スタッフと「うん米」の昼食をいただきながら話していました。皆様、ありがとうございます。(早苗)
先日、高校1年生4名がボランティアにいらしてくださいました!何と、試験が終わったその日、一番遊びたい日(?)に来てくれた若者たち!!ニコニコ楽しそうに作業をしていて、事務所は明るく賑やかな1日でした。私たちの場所が、共感できる場所、ワクワクする場所として伝わっていたら、こんな嬉しいことはありません!!ワクワク感、仲間、語り、食べること、希望・・・そんな要素が作用してはじめて、学びも肥えて実になっていくのだと感じます。長引くコロナ禍で人らしさが失われた制限ばかりの生活、3.11から11年たって加速している原発推進政策や今なお避難生活をしいられている方々、甲状腺がんを患い勇気を振り絞って東電を訴えた若者たちのことを想うと、私は何をしていたんだろうと落ち込みますが、「そんな暇はない!!」と若者たちに渇を入れられた気分です。若者たちがワクワク生きられるような土壌作りが大人の責任。矛盾のない仕事を通してよりよく生きること、平和な社会の構築は可能だと信じて、希望をもって生きる姿を見せていきたいと思います。春休み、高校生、中学生にもできるボランティア作業、たくさんありますよ!ぜひご連絡くださいね!(百合香)
沖縄で少女たちの聞き取り調査などをされている上間陽子さんと、臨床心理士の信田さよ子さんの対談をまとめた「言葉を失ったあとで」という本を読んでいて、“加害の普通さ”という言葉に衝撃を得ました。「アルコール依存症の女性のカウンセリングをしながら、自分との共通点の多さに驚く」と言われていました。何が人を加害と被害に分けてしまうのか、正常か異常かという話ではない、事の起こりと構造を学ばなければ、と改めて思いました。現在の世界の大きな動きはもちろん、沖縄、そして福島などの足元の構造も然りです。いま、毎日世界のニュースで溢れ、今月で11年になる東日本大震災の話はあまり流れてきません。月日が経ったとしても構造を学び、声をあげ、心を寄せる先は、いつも足元にもあるんだということを自らに投げかけています。(萌)