1. ホーム
  2. > 特集
  3. > カタログ編集後記 2025

カタログ編集後記 2025

2025年夏カタログ つなぐつながる vol.36

この夏カタログでは「ネパールのスパイス生産者」と「服作りの歴史と想い」を通してネパールでの活動をご紹介しています。都市部でも農村部でもそれぞれが抱える厳しい貧困。その中でなんとか自立しようと努力する方達と一緒に頑張ってきました。仕事づくりだけでは目の前の現実に負けて希望が見えなくなることもあり、未来への希望を託して奨学金支援もしてきました。その成果が徐々に現れ有機農業を推進する若者など農業、医療、教育分野で仕事を得た若者がたくさんいます。しかし、国としては国外に仕事を求めて出ていく人が増える一方で日本各地でネパールからの出稼ぎ者に会います。また、戦地など危険なところにもどんどん出ています。その結果、命を失ったり体も心も壊したりする多くの人々。やるせない想いが深まります。(春代)

夏号でも輪島塗りについて詳しくご紹介しています。12月と2月の冬季、特に2月は大雪のなか伺いました。輪島塗箸職人の鮓井さん、支援による一過性の受注で終わることなく継続した関係が築けて、日常使いの市場で受け入れられるようにしたいとの熱意が伝わってきました。是非、皆さまも日常にお使い頂ければと思います。ネパールは雨期が近づいています。昨年、大雨と川の氾濫で被災したシリンゲのサンパダさん家族を始め、その後が心配です。養護施設MSCCのキラン君の市民権、役所窓口の担当が代わったりと手続きが長引いていますが、見通しはついたようです。ご協力有難うございます。(完二)

冬カタログでご紹介した輪島塗のぐい吞みとお椀が職人の皆様の御苦労の末に完成し、ご予約のお客様にお送りいたしました。お届けのご連絡の際や到着後に頂いたお声にこちらも嬉しい思いです。漆器は仕舞い込まずに日常で使用し、洗い、柔らかい布で拭くを繰り返してあげると、水に反応して半年ほどで固く丈夫になり、艶も増してくるそうです。生き物のようで大切に育てたくなりますね。(早苗)

一日一品野菜のサブジを食べると翌日の胃腸の調子が良好で、最近はまっています。サブジは、適当な野菜を多めの油で炒めてスパイスと塩を混ぜ、蓋をして2~3分蒸し煮にするだけでとても簡単!「ネパール・カレー」のカレースパイスとクミンを混ぜ、瓶に入れて常備しています。食後はシナモンティー。初めて飲んだ時は美味しさに感動しました。ネパールの奥地の村々で出会った女性たちが浮かびます。日本で暮らす私たちの農業を守り未来に継いでいくためにも、私たちが搾取してきた南の国の農民たちともつながって、美味しいこと、愉しむことを大切に、健やかに心と体を整え、平和を生み出していきましょう。(百合香)

今号では春代さんと青木さんの対談が掲載され、お二人のおすすめの服も再登場しています。普遍的に着やすく合わせやすいラインでこれからの季節にもとても気持ちよさそうな服たちです。ネパリの服作りにはたくさんの物語があり、振り返り思い出されるのは日本側もネパール側も関わる人たちの真剣な表情と笑顔です。服作りにはたくさんの工程と人の関わりがあり、過去からの品質向上の努力がつながって今もネパリの服があり続けることが改めて嬉しく思いました。(ひろ)

直営店ベルダが25周年だった2023年より、毎年季節ごとに直営店イベントを行っています。ネパールから帰国し2ヵ月が経った3月。シナモンのマランタナ村のこと、生産者のビシュヌさんのことを伝えたい!と、シナモンホールをお湯で蒸らすだけのシナモンティーをお振る舞いしたところ、子どもから大人まで大大大好評!シナモンホールを初めて見たと言われた方も、多くご購入くださいました。甘くやわらかい味に皆さん感動してくださり、子どもも皆グビグビ、お替わりまでしてくれる子も沢山いました。「美味しい」から入ると、お客様との会話は生産者やネパール、活動の話にも自然と広がり、商品は人と人との距離を縮めてくれることを改めて感じました。シナモンティー、ぜひ皆さんもお試しください!(萌)

2025年春カタログ つなぐつながる vol.35

今回のカタログの特集で「クーネ」の開発経緯を書きました。カタログを毎回熟読してくださる方から「ネパリは生産者のことを詳しく書いてくれるのに、ピュールさんのことは書いていないですね」とご指摘いただいていました。千年に一度の大災害と言われ、各地の惨状を直に見て支援にずっと関わってきた3.11での「クーネ」開発です。書きたいことは山ほどあります。しかし、何から書けばよいのか。法律もあり書くことが難しいと思い込んでいました。でも、年をとり後何年動けるか分からない、記憶も薄れていく、今の内に書かなければと決め、ピュールさんにお願いしました。取材に伺い、皆さんの温かい歓迎に勇気をいただきました。原稿確認ではたくさんの修正を覚悟していましたが、ほとんどなく、思うままを書かせていただいたことに心底感謝です。残るのは、研究室で激怒された方にいつかお会いしたいなと、身の程知らずな願いです。(春代)

1991年に初めてネパールに行った土屋春代は、親や養育する人のいない子ども達を引き取り夫婦で親身に世話をされていたビシュヌさんと出会い、以来、私たちは支援し続けてきました。今号ではアシャさん、シムランさんが保護されビシュヌホームに来た時からの年月を振り返りました。全てはネパールで長年医療ボランティア(結核とハンセン病)として活躍された今は亡き岩村昇医師の講演を土屋が子どもの時に聴いたことに始まります。アシャさんとシムランさんが学んだ看護師養成学校が偶然にも岩村医師が赴任したタンセン病院の関連校でした。成績優秀でもふたりには出生証明がなく市民権を取得できず、国家試験を受ける資格がなく看護師にはなれません。しかし、土壇場で奇跡的に市民権が取れ受験し合格しました。ハンセン病問題を知って欲しいと、作家で人権活動家、ハンセン病回復者の伊波敏男さんに講演をして頂き、その後、若月賞を受賞された伊波敏男さんから記念スピーチの手伝いを依頼され、同じく受賞されたネパールで活動されている岩村医師とも懇意だった楢戸医師に出会い、ご尽力いただきアシャさん、シムランさんの市民権が取れました。こんな偶然があるでしょうか。私たちの活動の30年間が元々計画されていたかのようです。次は何が待っているのか、楽しみにして進みたいと思います。(完二)

能登のいしりが好評いただいています。私のように、この機会にいしりを知ってはまったという方も多いようで、リピート購入してくださったり、お友達にも紹介したいと複数買ってくださったり、本当にありがとうございます。レシピに迷ったら、タマタニさんのインスタでおいしそうな和洋中アジア料理がたくさん紹介されています。私もいろいろとトライしてみたいと思います。(早苗)

アシャさん、シムランさんの嬉しいご報告をすることができて安堵しています。改めて二人の壮絶な人生を思い、よくここまで育ったなと感慨深いものがあります。それも、ビシュヌさんやラムチャンドラさんなど周りの大人が愛情たっぷりに育て、皆様の応援のお気持ちが届いたからこそと思います。ご支援くださった皆様、気にかけてくださった皆様、本当にありがとうございました。ネパールでは彼女たちのような環境で生まれ育った子どもたちはたくさんいます。次に続く子どもたちのモデルとなるよう、これからしっかり生きていって欲しいと思います。私も二人に負けずに頑張らないと!と思います。(百合香)

今回の表紙は椿がたっぷり。百合香さんが事務所の木からとってくださった椿の花です。本当はもう少し早く使われる予定だったのですが、特集の関係でやっと今号でお披露目となりました。椿油は塗るのもおすすめ、食べるのもおすすめ。私は鯛を椿油といしりと胡麻であえて薬味と一緒にご飯にのせて食べるのが好きです。色々なレシピでお楽しみください。(ひろ)

クーネが生まれた2013年、私は大学1年生でした。「国際協力」という分野に憧れはもちつつも自分がそこで働けるイメージはつかず、一方で「大企業がアピールしている『フェアトレード』なんて名ばかりでしょ」と懐疑的なイメージも持っていました。それでも今の環境に行きつき、自分の仕事が誰とつながっていて、その先にどんな社会があるのかを実感できることに働くことの意味を見出せている気がします。ピュールのスタッフの皆さんのコメントを拝見しても、似た感覚を感じられてとても嬉しいです。ピュールさんのおかげで、私の頭皮と髪の毛は過去最高に元気です。(萌)