1. ホーム
  2. > イベント一覧
  3. > (終了)マリヤの賛歌 ― 石の叫び

(終了)マリヤの賛歌 ― 石の叫び

終了いたしました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。下部に、当日の様子をUPしています。ご覧ください。

◆戦時性暴力をテーマにした演劇作品を作りたい―
平和の少女像を良しとしない人達によって、2019年にあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」の開催が妨害された時、そう思った。上演が難しいのはわかっている。それでも演劇でこの流れに抗いたい。脚本を書こう。
まっさきに頭に浮かんだのは城田すず子さんだった。日本人として元慰安婦の経験を語る城田さんの言葉は、声をあげるとはどういうことなのかを教えてくれる。その言葉を浴び、城田さんが生きた世界に身を沈めるところからすべてをもう一度始めてみたい。
大阪で仲間が集まって稽古が始まり、2022年12月の初演、2023年7月から12月の再演をたくさんの人が観に来てくださった。北海道、東北、九州から足を運んでくださった方々がいた。強く願う者達は引き合い、いずれ出会う。フェアトレードに取り組むネパリ・バザーロから声がかかり、関東で初めて上演が実現する。出会いの機会がまたひとつ増えた。そこへ、ぜひ。

くるみざわしん(劇作家・精神科医)

◆本作は戦時性暴力を告発、或いは糾弾するためだけに作られたものではない。城田すず子さんという一人の女性の、魂の遍歴を描いたものだ。戦地に駆り出され、あまりに多くの土地を転々とし、安住の地を求める城田さんの言葉は、現代を生きる私たちに重たく響く。それが「口を閉ざせ」と命じる何者かに立ち向かう石の叫びなのだ。舞台に登場する机の上に置かれた石は、城田さんが安住を得た「かにた婦人の村」にほど近い海辺で、金子順子さんが実際に見つけてきたものだ。金子さんはこの石を生涯手放すことはないだろう。演者として「マリヤの賛歌」を手放さない限りは。大阪で2022年に立ち上げ何演も重ねてきたこの舞台が、ネパリ・バザーロさんの招きによって神奈川までたどり着いた。城田さんの果てしない旅にも似て、本作は遠くまで出かけて多くの人びとに「伝える」ことに使命があるようだ。

岩崎正裕(劇団太陽族)

◆日本軍の慰安婦にされた女性たちが戦後、被害を訴えました。それはごくごく一部の女性たちですが、事実に衝撃を受けました。声をあげたのは主に朝鮮半島や中国、フィリピンなど日本の統治下、支配下にあった国の女性たちで日本女性の証言はほとんどありません。なぜ声をあげられなかったのか。元慰安婦だった城田すず子さんの生涯を語る「マリヤの賛歌」で、城田さんは金子順子さんの体と声をかりて私たちに訴えます。これは過ぎた昔の話ではないよ、何が変わったの、何も変わっていないよ、気づいて、繰り返さないで。時空を超えたその叫びに心を動かされない人がいるでしょうか。あなたもぜひいらしてください。上演は関東で初めてとのこと。横浜からのバトンを受け継いでくださる人、現れてください。お待ちしています。

土屋春代(ネパリ・バザーロ創立)

◆「マリヤの賛歌ー石の叫び」が第二回・関西えんげき大賞受賞作を受賞されました!おめでとうございます!選評と、受賞の言葉がこちらからお読みいただけます。ぜひご覧ください。

◆当日の様子をご覧くださいご来場くださいました皆さま、誠にありがとうございました。

200名を超えるお客様と共に、金子順子さんを通して語られる、城田すず子さんの声を全身で聴かせて頂きました。人間の尊厳をかけた城田すず子さんの叫びに、心が震えました。

アフタートークでは、劇作家で精神科医のくるみざわしんさんと、主演の金子順子さんからお話をお聞きしました。進行は、ネパリ・バザーロ創立の土屋春代が行いました。

日本人だから声をあげにくい、声をあげたら叩かれる、それは今も同じではないか、一番声をあげにくかったのは日本人慰安婦だったのではないかと投げかけてみたくて、くるみざわさんはこの芝居を書かれたそうです。

金子さんは脚本を見て、絶対にやらなければならないテーマだと思って引き受けられたそうです。「城田すず子さんはノンフィクション。演劇は、どう頑張ってもフィクション。フィクションだからこそ、ノンフィクションを凌駕する瞬間があるのではないかと、俳優としてはそういう思いで、城田さんに向き合っている。失礼のないように」という金子さんの言葉が心に残っています。

最後に天羽道子さんにご登場いただきました。シスターの天羽さんは、千葉県館山市の婦人保護長期入所施設「かにた婦人の村」からお越しくださいました。「かにた婦人の村」で城田すず子さんと共に時を過ごされました。

天羽さんは、「鎮魂の碑」ができた時、城田すず子さんが車いすで山の上まで上がってこられて、「みんなここに帰っておいでよ」と言われたことを、今も忘れられないそうです。今日、金子順子さんを通して、その言葉を何度も聞き、胸がいっぱいになられたことをお話くださいました。

また、冒されてしまった人間としての名誉を返して欲しいと訴えてこられた韓国の方々が、名誉が回復されないまま亡くなってしまっている現状、さらに日本の中学校の教科書から「従軍慰安婦」の記述がなくなってしまったことに非常に心を痛めていらっしゃいました。

今日の公演には大勢の方が集まられ、加害の歴史の最たるものについて一緒に考えるひと時をもてたことに希望を感じてくださいました。

かにた婦人の村の施設長、五十嵐逸美さんからは、差別をなくしていくには、自分と同じだけ他の人を大事にすること、人の痛みを感じることを子どもたちに伝えていかなければならないというメッセージを頂きました。施設の建て替えで、寄付を募られています。こちらからご覧ください。

まだ戦後は終わっていないのに、日本は戦争への道をどんどん広げています。そんな時に、私たちはどうしたら抗えるか、どうしたらまともな社会をつくれるだろうか、その手段の一つに演劇があるのではないかと思い、「マリヤの賛歌ー石の叫び」を上演して頂きたいとお願いしました。本日、無事に実現できたことへの感謝を土屋からお伝えし、イベントは終了いたしました。

マリヤ賛歌を上演する会」の皆さま、お集まりくださいました皆さま、本当にありがとうございました。

文責:ネパリ・バザーロ

日時:
2024/06/15 〜2024/06/15 14:00 〜16:15
会場:
地球市民かながわプラザ 2Fプラザホール
神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1
交通アクセス:
JR本郷台駅より徒歩3分