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モーニングスター・チルドレンズホームとの歩みとこれから tsuna19 2021s

ネパールの養護施設モーニングスター・チルドレンズホームとの歩みと、これから。

ネパールでは、内戦や政治の腐敗、インフラの未整備、大地震、新型コロナウィルス感染拡大など常に様々な社会問題が続いていますが、その度に子どもや女性、障がいのある方々など、社会的により弱い立場の方々にしわよせがいき、貧富格差が広がり、負の連鎖が世代を超えてしまいます。

私たちは、物づくりを通して仕事の機会を生み出す自立支援と、今サポートが必要な方々への福祉支援を両輪として、ネパールで活動を続けてきました。その中でも、1991年に初めてネパールを訪問した時から約30年間、ずっと支援してきたモーニングスター・チルドレンズホームの近況をお伝えいたします。

2020年2月、子どもたちの面倒を全面的にみられていた元理事長のラムチャンドラさん(以下ラムさん)が肺炎で急逝されてしまいました。以前から、物価・人件費高騰が続くネパールで、政府の無謀な政策によりスタッフ増員や最低賃金引上げを要求され、また私たちと共にメインドナーとして支えてきたネパールのNGOが支援を打ち切ることとなり、厳しい経営状況に悩まれていました。さらに、高校を卒業(日本の高校1年生)しカレッジに進む年齢になった子どもたちをどう自立させるかという大きな課題がありました。一人一人の自立を見守りたいですが、保護されて行き場のない幼児を預かってほしいとSOSも頻繁に入ります。これ以上みられないからと、断らざる得ないラムさんはとても辛そうでした。片親や親戚がいれば、できるだけ家に帰しますが、アルコール依存症や精神疾患を患っていたり、暴力を振るう恐れがあるなど危険な環境であることも多く、ほとんど成功しません。

ラムさんが亡くなられたのは、カレッジに進む子どもたちを、私たちの奨学金支援の仕組みに乗せて自立支援をしようと話し合っていた矢先のことでした。悲しみに暮れる間もなく、新型コロナウィルス感染拡大の影響でネパールも厳しいロックダウンとなりました。ホームの存続は厳しくなり、ロックダウンの合間を縫ってラムさんの家族が奔走し、行き場のない子どもたち13人はソマン・アカデミーという私立学校の宿舎に入ることになりました。

ホームの決まりでは16歳になると自立しなければなりませんが、16歳になる3人のうち、アシャさんとシムランさんは路上で救出され天涯孤独です。紆余曲折の末、私たちが学費を支援し、西ネパールにあるパルパという地域の看護学校に入学することになりました。西部は特に貧しく、約55年前、近郊でコレラが流行り、道端のあちらこちらで亡くなった親にすがる幼児がいたそうです。2人が通う看護学校は、西部の看護師を育成する使命を負った学校です。学費が非常に高額だったのですが、身寄りのない彼女たちの境遇で安心して受け入れてもらえるところは他にないので、支援を決断しました。2020年11月に皆さまに緊急のご寄付のお願いをして、多くのご支援をお寄せ頂きました。心より感謝申し上げます。

看護コースを卒業すれば、確実に仕事が得られます。多くの奨学生が、支援されていた立場から、弟妹を支援し、社会に貢献する立場に代わり元気にしています。アシャさんやシムランさんも、きっとそのような道を歩むことでしょう。後に続く子どもたちのモデルとなることを、心から願い応援していきたいと思います。これからも、共に見守って頂けましたら幸いです。


2015年5月。ネパール大地震直後に、ホームの子どもたちを訪ねました。ホームはラムさんや関わる大人たちの穏やかな愛情に満ちていて、子どもたちは落ち着いて過ごしていて安心しました。


2020年3月。ロックダウン中の子どもたちの様子。
いつもネパールの子どもたちの教育・生活支援をサポートしてくださっている皆さまには、心から感謝申し上げます。ありがとうございます!応援して下さっている方々がいること、一人じゃないと思えることは、子どもたち・若者たちにとって、困難な時も生き抜く力となることと思います。これからも共に見守って頂けましたら幸いです。

≪NPO法人ベルダレルネーヨ ご支援のお願い≫

活動全体を支えたい!という方→ぜひサポート会員に!
●サポート会員 年間一口 10,000円(非課税)9999990-1
●準サポート会員 年間一口 3,000円(非課税)9999990

特定の活動を支えたい!という方→特定寄付があります。
ネパール教育・生活支援金 9999991-4
沖縄カカオプロジェクト・支援金 9999991-5
(一口1,000円から/非課税)