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虹色の星座 番外編 2022s

ハルサーを「つなぐつながる」活動記

文・写真 簑田理香

みなさん、こんにちは。ネパリバザーロのカタログ季刊誌『つなぐつながる』で、カカオフレンズさんを紹介する連載『虹色の星座』を担当している簑田です。ネパリ会長の土屋春代さんの2022年3月の10日間の沖縄滞在の後半に合流してきました。写真とともに、ミニレポートをお届けします。写真それぞれにキャプション をつけていますので、そちらもお読みくださいね。

インドのオーガニックカカオと沖縄産の黒糖ですすめている沖縄カカオプロジェクト・LISAチョコ。いづれは、カカオも沖縄産で!と夢を掲げて、ご縁ができた久米島とヤンバルの農家さん(畑人:ハルサー)がカカオを育ててくださっています。

今回の春代さんの沖縄滞在の目的の1つは、そんな先輩ハルサーたちと、若いハルサーをつなぐこと。若いハルサーどうしをつなぐこと。私は密かに「ハルハルネットワーク」(ハルヨさん×ハルサー)と呼んでいます。3月6日の投稿でもお伝えされているように、岩手県野田村の山葡萄/山葡萄ジュースの生産者、山口光司さん(27歳)も、春代さんのコーディネートで同行されています。山口さんは、前半では沖縄の歴史について人生の大先輩たちからお話を聞き、基地問題を抱えた現状についても学ばれたそうです。

高校の修学旅行以来、2度めの沖縄という山口さんのノートには、彼が現地で受け止めた、土地と人の歴史の積み重ねがびっしりと書き込まれていました。「なかなかすぐには咀嚼できないですけど・・」と言葉少なに語る山口さん。ゆっくりゆっくりと芽がでる土壌となっていくと思います。平和な社会と、そこに繋がり、それを根として幹として支える農業の大切さ。私自身も、何度も何度も噛み締めていきたいと、改めて思う沖縄滞在でした。

今回の「ハルハルネットワーク」づくりの「その後」は、これからのカタログ季刊誌『つなぐつながる』でも紹介されていくそうですよ。私も今回は『虹色の星座』のインタビュー1本も収録してきました。こちらは秋号に掲載予定とのこと。これからもどうぞ、ネパリバザーロの取組みにご注目くださいね。

◆野田村での取組みや生産者さん紹介は、現在配布中の「23号:春カタログ」でお読みいただけます。カタログだけの注文も承っていますので、お手元にない方は、ぜひ、こちらから

◆2021年の「21号:秋カタログ」の特集は「やんばるのハルサーたち」。お手元にない方は、ウェブサイトでもお読みいただけます。こちらをクリック

◆「阿波根昌鴻さんの願い~ハルサーの中のハルサー~」 こちらをクリック。お読みください!

久米島でカカオを育ててくださっている阿嘉茂さんのご紹介で出会った、リナさん(左)。ご両親が営む花卉栽培のお仕事をしながら、有機栽培で、いろんな作物づくりの挑戦も始めています。リナさんの名詞には「はじける農業」のコピーが光っています。野田村の山葡萄農家の山口さん(右)とは同い年!

久米島の平屋建てのハウスの中には、とてもいい「気」が満ちていました。

リナさんが、育てているオーガニックのバタフライピー。さやの中には、タネがたくさん入っています。チョウマメとも呼ばれる熱帯アジア原産のマメ科の植物。青紫の花びらを煎じると、きれいな青いお茶に。リナさんは乾燥させ粉末にしています。

ブドウの栽培にも始めてチャレンジ中。「この新芽のところは、1ヶ月もするほ葉が開きますよ」という山口さんの言葉に、リナさんも一安心でした。

可愛らしい新芽。

カカオ苗を育ててくださっている阿嘉さんからも、いろんなことを教わりました。

こちらは、阿嘉さんのハウス。カカオの木も元気に育っています。

カカオの木にも多くの新芽が。

黒い土の部分が見えますか?サトウキビを煮詰めてできる搾りかすを一年くらい、露天で寝かせて、阿嘉さんは堆肥にしています。そのとちにあるもので、自然の恵といのちの循環を。

オレンジ色の小さな実。みかんではなくて、シークワーサーです。青い実のイメージが強いですが、完熟するの、こんな色になり甘くなります。

阿嘉さんに教わりながら、山口さんもシークワーサーの収穫にチャレンジ。山葡萄とはまた違った感触だったことでしょう。

阿嘉さんが育てている、マンゴーの花。

今回、新しい出会いもありました。久米島で「失われた製糖技術を再建し、久米島産の純黒糖を作りたい!」と夢を描いて、今年の1月にクラファンを達成し、ノンケミカルなサトウキビ&黒糖作りをスタートさせている、山城葵さん。

お互い農業人としてエールの交換ができた山口さんと山城さんも同世代。そして山城さんを紹介してくれたのは、久米島へ移住して3年近くになる、マイコさん(右)。マイコさんは神奈川県で過ごした学生時代にネパリバザーロと繋がっていて、移住してスタッフとして働いていた「球美の里(福島の子ども保養プロジェクト)」で、数年前に土屋春代さんとの、お互いびっくり!の嬉しい再会があって、そこからまた、新しいつながりが芽生えています。

伊江島にも渡り、阿波根昌鴻さんがのこした「平和資料館 ヌチドゥタカラの家」で、阿波根さんの秘書を務めていた謝花悦子さんのお話も伺いました。謝花さんも、若き農業者との出会いを喜んでくださって、農民学校の建設を目指していた阿波根さんの思い出話にも力がこもっていました。ありがとうございました。

「球美の里(福島の子ども保養プロジェクト)」の庭で花を咲かせていたレモンの木。東北、福島、沖縄、ネパール。そして、ネパリを支えてくださっている皆様が暮らす土地。地域と地域、人と人の、健康的で幸せな繋がりの輪を。これからもネパリバザーロの活動を通して、若い世代のチャレンジや、平和で公正な社会づくりの基礎となる「農業」や「手仕事」へのご理解とご支援をよろしくお願いします。