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ネパールの森から届いたはちみつの物語 tsuna6 2017a

女性養蜂家・ギタ・デヴコタさん のお話


10 月末頃からギタさん は、チウリの開花に合わせてダン、ルー パンデヒ、ナワルパラーシ、チトワンと移 動しながら暮らしています。30 歳の時に夫が亡くなり、二人の息 子を抱えて途方に暮れていたギタさん。 ネパールで、夫を亡くした女性の人生 は過酷です。夫の家族に虐げられ、食 事も粗末で祝い事にも参加できず、周 囲からも不吉といわれて排除されま す。仕事経験もなかったギタさんは生 きる術がなく、知人に紹介されたマハラ クシュミさんの養蜂トレーニングをすが る思いで受けました。

養蜂の専門家であるマハラクシュミさ んは、厳しい生活を強いられている人々に収入の機会を創るため、村々を回っ ていました。必要な設備が安く手に入る養蜂は、土地や資本のない人でも始 めやすいからです。さらに、経営する Beekeeping Shop が技術指導を定期 的に行い、採取したはちみつを買い取っ ています。トレーニングを受けた人は安 心して養蜂を始めることができます。

ギタさんは必死で取り組みました。 女性にとっては重労働で、最初は大変 だったそうですが、真面目で丁寧な仕 事ぶりで技術がどんどん向上し、トッ プの品質を誇るまでになったそうです。 この仕事で得た収入で二人の息子を育 て上げ、養蜂家としてもマハラクシュミ さんの頼もしい仕事のパートナーとなっ たギタさん。苦難を乗り越え、生き生 きとした姿は、同じ境遇の女性たちに 勇気を与えています。

ギタ・デヴコタさん。チウリのシーズンは、ハチと共に約 200km移動します。

村々を回るマハラクシュミさん(後列右から2人目)

≪ミツバチと結晶≫
ミツバチは花の蜜を吸いながら、花粉もせっせと 集めています。花粉まみれで巣に帰り、羽をバタバタ と仰いで蜜の水分を飛ばし、熟成させます。本当に 働きもの。ネパリ・バザーロの純粋はちみつは、化 学的な処理をしていないので、花粉や蜜蝋が混ざっ ています。マハラクシュミさんが顕微鏡で花粉を見せ てくれました。とてもきれ いでした。低温になると、 これらが核となり結晶を促 進します。さらに、水分量 が少ない方が結晶しやす いそうです。つまり、はち みつの結晶は“完熟した 純粋はちみつ”の証です!

結晶したら、どうしたらいい?≫
●シャリシャリ食感もおすすめ!
ザクザク砕いて、トーストやクラッカー、チーズやヨー グルトに。垂れないので食べやすく、新鮮な食感は くせになる美味しさ。コーヒーや紅茶、お料理にも。

ゆっくりあたためてトロトロに。
蓋を緩め、40度位のお湯でゆっくり湯煎すると元の 状態に戻ります。※高温だとはちみつの栄養素が壊れてしまうのでご注意ください。

(つなぐつながる 2017秋冬号 vol.6より)