暮らすように働く 2022年10月
スタッフ一言
沖縄の辺野古新基地建設に反対する市民が、米軍キャンプシュワブのゲート前で座り込みを続けて9月22日で3,000日になり、普段に増して集まった140人が9時、12時、15時と3回の土砂搬入の阻止行動をしました。市民に倍する機動隊に阻まれ退けられても座り込む市民たち。翌早朝、友人から送られた新聞記事の『本土復帰して50年。いまでも県民が闘い続けている。このことに本土側が応えないと現状は何も変えられない。子どもたちに沖縄の実状を伝え続けたい』大阪から駆けつけた中学教師のこの言葉が突き刺さりました。先日の知事選でも辺野古新基地建設反対を訴え続ける玉城デニー知事が再選され、沖縄県民の民意は明らか。感情論ではなく、軟弱地盤の上に専門家も警告する震度1でも崩れるおそれのある活断層が通る辺野古新基地予定地は、計算できないほど莫大な税金を投入しても完成は不可能です。他の場所ならよいわけではありませんが、なぜこの場所にここまでこだわるのか。「聞く耳」を全く持たぬ市民弾圧は沖縄だけの問題ではなく、抵抗を沖縄だけに押しつけ続けている現状を変えないと次は我が身です。(春代)
ネパールは、10月5日からダサインという日本のお正月のような重要なお祭り(祝日)が始まります。温暖化で、以前だと秋晴れの良い天気になる頃ですが、まだ雨模様の日が多い昨今です。明日からダサインが始まるという時に、突然、シリンゲコーヒー生産者の一人、ユブラジ君から連絡が入りました。なにやらセミの鳴き声はするし、人々の話し声がします。2年ほど前に、コロナ禍で彼のお姉さんが泥酔した夫に殺されるという悲劇が起きました。その1年ぐらい前には、お母さんが心臓を悪くしていて、治療の甲斐無く他界されています。お父さんも病気がちです。嫁いだ一番上のお姉さんが、娘さんを連れて実家に戻っていました。夫に殺されたお姉さんの一人息子は、ユブラジ君家族(ユブラジ君とそのお父さん)と暮らしています。和やかに笑顔で話している姿をみて、私たちも嬉しくなりました。良い1年になりますように!(完二)
半数以上の反対があっても止められないまま国葬(儀?)が行われました。民主主義っていったい…?友人代表の弔辞は、なんて薄っぺらな!と思ったのに、野党まで絶賛してるって、ホント?!「ボク、こんなにやりましたよ、ワンワン」っていう身内向けの自慢話としか思えないのに…。曲がりなりにも国税で行うのだから、「丁寧な説明をしていきたい」といいながらしてこなかった実施の理由が伝わるような、反対している人も「そういうことなら国葬の意味もあるか」と思えるような、そんな弔辞を(できるものなら)してほしかったと思ったのですが。やったもの勝ちで終わらないよう、忘れずに今後も注目していきたいです。(早苗)
とても嬉しい再会がありました!横浜市内の小学校で、子どもたちが、世界の問題を自分事に感じられるようにと、フェアトレードを通した活動を長年地道に取り組まれている先生がいらっしゃるのですが、教え子が高校生になり、学校のプログラムを通して事務所にいらしてくださいました!なぜずっと気にかけてくれていたのか伺うと、「自分が知っていたら、一人の人には伝えられるかなと思って」と。素直な言葉にはっとしました。たった一人でも、出会った人に伝わるあたたかな言葉と気持ちを大事にして、みんなが一人に伝えて、輪を1mmずつでも広げていくことが大事だなと思いました。蒔いた種は、確実に芽が出て、これからぐんぐん成長していくんだなと嬉しい気持ちになりました。(百合香)
「被害者にならないために、加害者にならない」。沖縄で平和学習講師をされている22歳の仲本和さんの言葉がとても心に残っています。9月25日に沖縄県が主催した「若者と考える米軍基地と沖縄の未来」というシンポジウムに登壇されていた仲本さんは、沖縄外から来られる修学旅行生対象に「沖縄戦跡や基地のガイド」や平和学習を企画されています。「平和な社会に生きたい」と願う気持ちは誰であっても同じだと想像するのですが、戦前であるかのような政権の動き、そして沖縄への変わりのない構造的暴力がなめらかに続いている現実をみると、平和を望む気持ちとなぜここまで乖離してしまうのだろう…と思ってしまいます。そんな時に、仲本さんが言われた言葉がアジア太平洋戦争をとても端的に表していて、はっとさせられます。戦争を体験された方々から直接お話を聴くことも難しくなり、両義性のある戦争を被害側しか伝えない教科書が”知識”としてより主軸になってしまうのではと不安になりますが、仲本さんが言われた言葉は、まずは歴史を学ぶこと、その上で被害者にならないために、自分たちの暮らしの中でどんな選択を積み重ねていくべきなのか、その軸になってくれる言葉だと感じました。(萌)