暮らすように働く 2021年6月
スタッフの一言
オリンピック開催まで2ヶ月を切り、開催するべきではないと訴え、中止を求める署名が40万筆近く集まり、今現在もどんどん増え続けています。世論調査でも8割以上が延期か中止を望み、コロナ最前線の医療現場や感染症専門家たちもこれ以上の感染拡大は助かる命が助からなくなると強く警告しています。ワクチン接種も進んでいない日本で無理矢理オリンピック&パラリンピックを強行して何の意味があるのでしょう。誰の利益になるのでしょう。IOCの“命よりお金”という体質が顕著になり、日本人の我慢強さで乗り越えよ、多少の犠牲はつきものだという傲慢さに、平和の祭典という意義そのものが問われています。コロナ禍が長引き失業者、ホームレス、自殺者が増えていても対策ができていない中、緊急事態宣言下でも実施する、中止はあり得ないと平然と強弁する人達の顔は化け物に見えます。首相はIOCにしか中止の権限はないといいますが、結果責任をIOCは負ってくれますか。有観客で実施しできるだけ損失をカバーするという意見がありますが、命を犠牲にしてまでやる理由にはならないと思います。(春代)
コロナの感染拡大は、日本でもインド型を注意するように呼びかけられていますが、ネパールにも、その感染は拡大して、生産者、奨学生や養護施設の子どもたちや周囲の大人の人々にも感染者が確認されるようになり、その広がりを感じています。そして、3週間続いたロックダウンが更に1週間延びることになり、その影響が心配されます。一番大変そうなのは、ポストコロナの生活再建かもしれないと感じています。今は、激励するしかありませんが、「いつも一緒にいるよ」とメッセージを送っている昨今です。日本の私たちの元に商品は当然ながら届かず、インドやネパール国内の物資移動も難しい昨今ですが、共に乗り越えて行きたいと願っています。(完二)
夏カタログが完成しました。今年は3月から気温が高く、梅雨入りのニュースも早くてすっかり夏気分になっていたので、ようやくという感じでした。カタログを詰め込んだ大量の段ボール箱が事務所に届き、封を開けたら目に飛び込んできた鮮やかな青い表紙は、思わず「お~~!!」と声を上げるほどインパクト満点。ワクワク嬉しくなりました。新商品の屋我地島の塩やシーソルトチョコレートも早速ご注文をいただいています。皆様にもぜひ楽しんでいただければと思います。(早苗)
「入管法改悪法案」が事実上の廃案となり、ぎりぎりのところで最悪にならずに踏みとどまれて安堵しました。世論で止めることができるんだとほんの少し希望を取り戻せましたが、そもそも人権侵害甚だしい「改正案」が出されたこと自体ここまでひどいものかと驚きました。またスリランカ人ウィシュマさんが3月に名古屋入管で亡くなられたことは本当に悲しいことでした。国の管理下の施設で人が亡くなり、その情報が全く開示されないとはどういうことなのでしょうか。「これは死刑ですか?」とウィシュマさんの妹さんが言われていました。国が、勝手な線引きで命の重さをはかってよいものでもありません。ネパールの方を日本にお招きした際の、入国審査の方の疑うような目つきにいつも気分が滅入ったことを思い出しました。異質なものは全て敵と思っているのでしょうか。そんな社会は幸せなのでしょうか。(百合香)
4月、ネパリスタッフで群馬県・草津にあるハンセン病国立療養所栗生楽泉園の敷地内の、重監房資料館に行きました。全国の“反抗的”な行動を起こしたハンセン病患者の方々を収監していた重監房の再現模型や、収監者の記録、証言、発掘調査の記録の展示などがされています。春代さんと完二さんが昨年行かれた際に、「本などで学べることと、実際に重監房の再現模型を見るのとでは全く違う」と仰っていましたが、実際に行ってみて、入るのも躊躇ってしまうような、薄暗く、閉塞的で、生きていける心地がしないような空間が続いていました。言葉で表現するのも、とても難しいです。収監された方々の記録も展示されており、大多数の方々は伏字でお名前が記録されていました。1947年頃まで使用されていた重監房によって、想像も出来ないほどの苦しみを負われた方々、亡くなられた方々のお名前を、75年近く経った今でさえ知る事ができない。その事実がとてもショックで、無知であった自分に対しても大きなショックを受けました。夏カタログから販売を開始したシーソルトチョコレートや屋我地島の塩の商品を通して、一人でも多くの方々と、今の問題として共に考えていきたいです。(萌)
2021年5月、ハンセン病国立療養所 沖縄愛楽園の門の前で。